2011年 農政ニュース

2011年7月1日 米トレーサビリティー法全面施行

 

米トレサ法は2009年に制定され、昨年10月に米の生産者や流通業者に適用されていた。7月より対象となる業種が広がり、飲食店や米製品などでも国産米の表示をするとともに、取引記録を保管する義務がある。この取組自体は否定はしないが、果たして机上の理想論がどこまで現場に通用するか、見守っていきたい。

ちなみに、はれプロで扱っているお米は極わずかであり、基本的に縁故米の扱いとなり対象外。とはいえ、お届けした方はリストを作って、米農家さんに提供している。

2011年5月2日 農林水産省震災関連補正予算成立

 5月2日()平成23年度補正予算(1)が成立しました。
 このうち農地の復旧の関係では、津波により壊滅的な被害が生じている地域において、除塩を含めた災害復旧に国自らが災害査定を行い一刻も早く事業に着手するほか、農地に湛水した海水の除去や排水施設が損傷した沿岸部の排水対策を実施します。
 また、被災農業地域における二次災害の未然防止や営農再開に向け、農業用施設の点検、地すべり危険箇所の調査、地域の復旧計画策定の補助を実施することなどが盛り込まれています。

農林水産省関係補正予算(総額)           [3,817億円]
 農地・農業用施設災害復旧等事業(公共)       [689億円]
   排水機場等の応急対策を実施するとともに、除塩事業及び農地等
   の災害復旧を市町村に代わって国・県等が行う仕組みを創設
 災害対策支援機械費(公共)              [9億円]
   
 湛水した農地について、国が保有する排水ポンプ等を投入し、海
   水等を強制排水
 農地・農業用施設等災害復旧関連調査(公共)     [26億円]
   
 農地・農業用施設等の被災状況調査、機能の点検・診断や復旧計
   画の策定等を実施

2011年3月9日 日本経済新聞「コメ価格変動リスク軽減」

 東京穀物商品取引所と関西商品取引所がコメ先物(2品種のみ)の試験上場を申請した。農業団体は価格の乱高下の懸念から否定的だが、農水省の対応はいかに。戸別所得補償制度において、基礎価格を補償している以上、今後はコメの価格形成は市場に委ねる方針であることから、前向きに検討して良いかと思う。

 ただし、農家側に交渉権が付与されないまま市場に委ねると、農家にとってメリットはあまりないのかも知れない。儲かるのは投機筋だけという結果になる恐れもある。交渉に当たっては、数量取引ではなく全量買い取りでの契約を締結するのが最低限の条件であろう。農水省には、農家側にメリットがある形での条件整備を検討してほしい。米を含む農産物の先物取引は江戸時代にも原型があるとおり、農業経営の安定化にとって有益なはずである。

 先物市場が活性化すれば、農業関係への投資が副次的に増加するかもしれない。農業の6次産業化を目指すのであれば、まずは資金集めから始めるのが肝要かと思う。

【日経新聞】コメ価格変動リスク軽減.pdf
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2011年2月22日 読売新聞「農業経営の体質強化 経産省支援策」

 経済産業省から農業産業化に向けた支援策が公表された。経済産業省が打ち出すのであれば、さぞかし目新しく斬新な支援策が盛り込まれているかと思いきや、ありきたりなものばかりでインパクトがない。公表する前に、農水省と合議を図ったのかしら。このなかで興味をひかれたのは、合同会社(LLC)と地域プロデューサー育成かな。でも、両方とも既に対策済みである。前者は農水省の農地保有合理化法人による取組が進められているし、後者は各省庁で似たような人材育成を実施している。

 民主党政権以降、役所が公表する資料には具体的な予算の裏付けや法律との整合性がないものが目立つ気がする。今回の経産省支援策も、総花的で方向性は否定しようもないが、実効性が良くわからないと言わざるをえない。いずれ、3月中には、農水省から農業再生計画の中間発表される予定であるから、その内容を待ちたい。

【読売新聞】農業経営の体質強化_経産省支援策.pdf
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2011年2月18日 全国農業新聞「進むか中国への米輸出」

 先般訪日していた中国公司の日本視察と、その成果としての覚書。これによって中国への米の輸出が本当に進むのだろうか。課題は、中国側の検疫条件(精米所の指定、燻蒸処理)と言われ、農水省では早速燻蒸処理できる施設の確保を行った。しかし、当然のことながら以前10倍近い価格差があり、一般消費ではなく贈答用として扱われていることから考えると将来的な100万トンという目標は達成できるのだろうか。

 中国への米の輸出について、視点を変えてみたい。中国側のメリットはなんなのだろうか。高い通常売れるはずもない日本の米を買い取るということに理解できない。日本の美味しい安全な野菜などを仕入れるのが目的なのだろうか。それとも、見返りとして日本に何か要求しているのだろうか。あのしたたかな中国である、おそらくは腹黒い計算がされているのではなかろうか。

 私は、米の輸出にかける思いも解るが、この記事にある米農家さんの「日本で作った米は、日本人に食べて頂きたい」という言葉こそが保守本流にすべきなのではないだろうか。私が今年やろうとしている、米農家のプロモーション活動など、農と消費を密接に結びつけることによって、日本の米農家は生き残っていけるのではないでしょうか。

【全国農業新聞】進むか中国への米輸出.tif
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2011年1月18日 毎日新聞「コメ輸出拡大へ 丸紅と全農提携」

 1996年に米の食管制度が廃止されて以来、農協系統が米流通に占める割合は減少し続け、現在は6割のシェアにまで下落した。今更、商社と連携しても国内シェアを回復できるとは思えないのだが。

 そもそも全農の取引が減少してきた背景としては2つの点が挙げられる。1つは、全農を経由した場合の流通コストが他の小売りや直接販売等に比べて割高であること。もう1つは、全農は大量販売と安定取引を行うが故に、価格変動や消費者ニーズに機動的に対応することができないこと。その結果、農家の手取りは他の流通経路と比べ少なくなり、農家にとってあまりメリットがないのである。

 もっとも、農協批判をするつもりは毛頭ない。農協系統が果たしている役割は、小規模零細農家の多い日本ではなくてはならないものであり、農協がなければ消費者も国産の米をこれ程まで安価に購入できないであろう。また、農協は農家から委託された米を原則的に全量引き受けねばならず、過剰在庫を抱える構造となっていることから、販売対策費・保管料等のコストを上乗せするしかないのである。したがって、農協系統では組合員相互の利益を確保すること(社会主義的)が優先されるため、頑張っている個人がより儲かるべき(資本主義的)という考えとは相容れない仕組みであると言わざるを得ない。

 話を元に戻して、商社との連携が打開策となるのか。もちろん、商社であれば輸出のノウハウや流通コストの削減などはお手の物であろう。しかし、輸出に関して言えば、富裕層以外で一般消費者向けに大量輸出するためには、米の価格を1俵5000円程度に抑えなければ話にならない(同じジャポニカ米の1俵当たり相場で比較した場合、中国産3000円、米国産4000円程度)。一方、流通コストはある程度までは削減できるとしても、必要以上に削減を進めると、過剰在庫処理の費用が捻出できずに全農が機能麻痺してしまう恐れがある。

 全農が商社と手を結ぶという方向性は正しいと思うが、公平性と利潤追求という組織の矛盾を解決しなくてはならない。案外、中国の市場開放の制度辺りが参考になるのかも知れない。

【毎日新聞】コメ輸出拡大へ
【毎日新聞】コメ輸出拡大へ 丸紅と全農提携.pdf
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2011年1月5日 読売新聞「U・Iターン就農に手当~5年間、年間100万円~」 

読売新聞夕刊に標記の記事(別添ファイル)が掲載された。農水省の政務三役の誰かが記者に漏らした様子。  

 

 これまで、農水省には新規就農者等に対する融資制度があり、かなりの厚遇で実施されてきている。その利用状況は定かではない(埋蔵金となっていないことを祈る)が、しっかりとした制度が存在している。それにも関わらず、手当とは何たることか。戸別所得補償に飽きたらず、まだバラマキを続けるのだろうか。仮に実施するとするならば、相当厳しい条件を付けるべき(ex.手当受領後10年間は農業を続けること)で、まして大学新卒にまで含めるというのは正気の沙汰とは思えない。大前提として、経営に明るくIT等のスキルを有する人材へ対象を絞り込む必要がある。

 農業だけ斯くも優遇していたら、世間から批判を浴びるのは当然である。他の中小企業にしても、経営状況は厳しく担い手不足に苦慮していることにかわりはない。なにもTPPで打撃を受けるのは農業だけではなく、他の全ての産業(特に中小企業)にとっても危機なのである。この先、農業を含む中小企業が生き残っていくためには輸出を念頭に置くとともに、地域内経済を再活性化させる以外に道はないはずである。  

新規就農者に手当!?
【読売新聞】U・Iターンに就農に手当.pdf
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